エールケディスの旅人 ─風と共に流離う者─


 かつてその地に、栄華を極めた種族が居た。
 その名は、人類。
 けれども、かの者らは結果的に滅ぼされてしまった。
 何故なら、かの者らは大地を穢そうとしたからだ。
 投下されれば一瞬で地は焼け、生命は熱に溶かされ死に絶える、
 原子爆弾という、おぞましい殺戮兵器で。
 であるからしてかの者らは、竜の神に粛清されたのだ。
 その神こそ、エールケディスの守護者チャリス。

 故にチャリスは、今なお虚空を彷徨う絶空の孤島から、
 エールケディスの大地を見守っている。

 大地が二度と穢されぬよう、地に這う生命を監視しているのだ。


目次

海と王女

緑のリルフとエルフの四神器

猫の街と荒れ狂う波

夕凪の巫女と太陽の御子

喝采の王と聖槍とカルマ

方舟と飛行挺アスタトラン号

割れた鏡と解かれた呪い

アポロの手紙

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